ボヘミアン・ラプソディ
公開2018年11月9日|上映時間135分
伝説のバンド〈クイーン〉
彼らの音楽を唯一超える〈彼〉の物語。
誰もがその名を知り、曲を耳にしたことがある〈Queen〉。
きっと若い世代の子たちも、有名な曲をいくつか聴かせれば「あ、聴いたことある」と思うはず。
かくいう私も音楽の知識は浅いですが、クイーンの存在と代表曲くらいは知っているわけで。
ただ、知っているというだけで別にファンじゃないんですよ。だからクイーンの曲が流れたからといってテンション上がったりなんて経験はない。
そんな私ですが、本作『ボヘミアン・ラプソディ』は、クイーンのファンが観るための映画だと思い込んでいたんですよ。
だから鑑賞する予定はまったくございませんでした。
しかしながら、他の映画を観に行った劇場で予告を見て「なんやこれ、めっちゃ面白そうやん」となり、どうやらクイーン世代じゃない人々からの反響もすごいらしく…
軽い腰を上げてひょいひょいと観に行きましたとさ。えぇ、にわかですとも。
作品情報
『ボヘミアン・ラプソディ』あらすじ
1,夢を追いかける若者たちの出会い
複雑な生い立ちや、容姿へのコンプレックスを抱える孤独な若者だったフレディ。彼が出会ったのは、のちに生涯の“ファミリー”となり、音楽史にその名を残すことになるバンドのメンバーたちだった。2,常識を打ち破る名曲誕生の瞬間
個性的なメンバーの革新的な挑戦によって、誰もが知る名曲が次々に生み出されていく。そしてバンドは、ロックミュージックにオペラを導入した「ボヘミアン・ラプソディ」で既成概念を覆すことに成功する!3,成功の光と影。そして解散の危機
数々のヒット曲を放ち、一躍世界的な大スターとなったクイーン。そしてフレディは、“史上最高のエンターテイナー”とまで称されるようになる。しかし、成功の光に照らされる一方で、孤独の影が忍び寄っていた。4,人生を懸けた史上最大のステージへ!
フレディがソロ活動を始め、崩壊寸前となったクイーン。そんな中、バンドは20世紀最大の音楽イベント“ライヴ・エイド”に出演する。永遠に語り継がれるラスト21分のパフォーマンスに秘められた真実とは…。
監督:ブライアン・シンガー
監督代表作は『ユージュアル・サスペクツ』『ワルキューレ』『X-MEN』シリーズなど。
才能をもった人であることは確実なんですけど、ちょっと社会的に問題ある?ようで、本作でも「無断欠席を繰り返した」との理由で途中降板させられたらしい。子供か!w
なお、後任監督として製作総指揮のデクスター・フレッチャーが仕上げを済ませた模様。
キャスト
ラミ・マレック
(役:フレディ・マーキュリー)
出演代表作『ナイト ミュージアム』『セインツ 約束の果て』『ショート・ターム』など。
ルーシー・ボイントン
(役:メアリー・オースティン)
出演代表作『シング・ストリート 未来へのうた』『オリエント急行殺人事件』など。
グウィリム・リー
(役:ブライアン・メイ)
ベン・ハーディ
(役:ロジャー・テイラー)
出演代表作『X-MEN:アポカリプス』など。
ジョセフ・マッゼロ
(役:ジョン・ディーコン)
出演代表作『ジュラシック・パーク』『マイ・フレンド・フォーエバー』『ソーシャル・ネットワーク』など。
感想(ネタバレあり)
ここからは鑑賞後のネタバレを含む感想になるので、まだ観ていない人はご注意くださいませ。
冒頭でも述べましたとおり、私はクイーンのファンじゃありません。
「何年経っても語り継がれる伝説のバンド」
「代表曲はいくつか知っている」
「フレディ・マーキュリーはゲイで、エイズで亡くなった」
これくらいの知識だけで鑑賞してまいりました。
全然ファンじゃない人から観た『ボヘミアン・ラプソディ』はどうなのか?
結論から申し上げますと…
まじで芯から震えた。終盤はライブ会場と劇場の観客が一体となって目頭が熱くなった。
いやもうね、ファンになっちゃうよ、こんなん。しばらく鼻歌がとまらないよ。歌詞は覚えてないけどね。
結成から成功までの序盤はサクサク進む
まずここから思ってたのと違いました。
どういう経緯で結成され、どんな苦労を乗り越えながら成功を掴みとるのか。それをメインに描いていくものだと思ってたんですよね。
急に観たくなったから下調べも何もしてなくてw
だけど序盤はかなりテンポ良く展開していきます。
フレディの家庭環境はうまく伝わってきますが、他メンバーの背景にはほとんど触れられません。
すんなり結成し、アルバム作ったらすごい人の目にとまって、あれよあれよとスターへの道を登ります。
フレディはメアリーという超かわいい彼女もできちゃうし。
なんかもう、すごくバンド仲良くて楽しそう。名曲が生まれる過程なんかも見られて、ファンじゃなくてもワクワクしちゃいます。
ここまで、かなりアッサリした印象です。実際は苦労もあったと思いますけど、本作で描きたいのはどうやら今後のようです。
サクセスストーリーかと思ったら「バンドという家族」の物語だった
ひとたび世間の注目を浴びると、今まで自由奔放に楽しくやっていたのも、そうはいかなくなります。
契約会社とバンドの方針がズレて揉めたり、メンバー内でケンカしたり、マスコミに楽曲と無関係なプライベートを取り上げられたり…
そんななか、フレディが自分を見失っていき、どんどん自暴自棄で身勝手な人間になっていきます。
欲望におぼれ、心身共にやさぐれ、ボロボロになる。ついにはバンドメンバーに無断でソロ契約までしてしまう。
クイーンは崩壊寸前です。
ここで「フレディの野郎、クズだな…」という気持ちにならないのが本作のすごいところ。むしろ、ばっちり感情移入するおかげで見ていて辛くなるんですよね。
それだけフレディの人物描写が秀でているという事です。
HIVに冒され、恋人の裏切りを知り、メアリーの言葉によって目を覚ましたフレディ。
史上最大のチャリティーイベント「ライヴ・エイド」へ出演するため、クイーン復活をメンバーに求めます。
フレディは確かに才能の塊であって、彼なくしてクイーンの成功はなかったでしょう。
しかしまた、クイーンのメンバーなくして彼の成功もなかったのです。それにフレディは気付いた。
「おれたちは家族だ。家族だったらケンカもするだろう」という言葉が印象的です。
フレディはずっと心の隅に孤独を感じていました。みんなには妻や子供がいるのに、自分はゲイで家族をもてず、父親にも本当の自分を受け入れてもらえない。
でも、違った。クイーンのメンバーや、クイーンを支えてくれる人達こそ、彼の家族だったんです。
世の中にはソロアーティストもいれば、アイドルグループもいます。それぞれ良い部分も悪い部分もあるでしょうが、「バンド」も「バンド」でしか成し得ないことってあるんだと感じましたね。
衝突が生む奇跡だってあるんです。
ライヴ・エイドで感動が押し寄せる
かくして復活したクイーン。
物語はクライマックスである「ライヴ・エイド」に突入します。
ここからはもうずっと興奮と感動。
再びメンバーに受け入れられ、信用できる友人もできた。父親との確執もなくなり認められた。みんなが、クイーンを、フレディ・マーキュリーを求めている。
確実にエイズに蝕まれていきながら、残された時間を「家族」との音楽に使いたい。
ライヴが始まったら、本当に彼らをそばで見守っているような錯覚に陥りました。
フレディを心配するメンバーたちが、空に穴を開けるかのような歌声を聴いた瞬間に見せる表情。ひとつひとつのパフォーマンスに込められた想い…。
たまらん。ぐっときたぜ。
ライヴ会場に集まった観客たちが感極まって泣いているカットが映し出されますが、この中に自分もいるんじゃないかとさえ感じます。
あの瞬間たしかに、そこにはクイーンがいました。
ストーリーや登場人物だけでなく音楽も最高で、私にとっては「聞き覚えがある」程度だったはずの曲ひとつひとつが、身にしみて身体の芯から震えるほどの興奮を呼び起こしました。
これまで聞き流していたのを後悔するくらい、めちゃめちゃイイ曲だらけ。
今もしもタイムマシンがあるならば、最初にやりたい事は「クイーンのライヴを生で観に行く」ですw いや本当よ。
メアリーいい奴すぎ、ねこ可愛すぎ
一度はフレディと生涯を共にすると誓ったメアリーですが、フレディがゲイと発覚し、多忙を極め疎遠になったことで彼の元から去ります。
だけど決して、メアリーは彼を責めることはしませんでした。
それどころか、以後もずっとフレディを陰から支え続けたんです。いつも気にかけ、心配し、時には寄り添ったり厳しい言葉をかけたりしながら彼を正しい道へと導いてくれます。
そこまでする義理なんてないし、もう二度と会わないという選択肢をとってもおかしくないですよ。
きっとメアリーは、フレディ・マーキュリーの一番のファンであり、最高の友人であり、大切な家族の一員だったのでしょう。
恋心は無くなっても、愛は無くしていなかった。だから決してどんな事があっても見捨てたりしなかった。
バンドメンバーだけじゃなく、メアリーの存在もフレディにとっては欠かせないものだったんですね。
欠かせない存在といえば、フレディの飼ってる猫ちゃんたち。可愛すぎる。
まぁぶっちゃけ物語に有機的に絡んでくる事はないんですけど、フレディにとっては絶対欠かせない存在だったと思いますよ。
だってメアリーと別れてもバンドから離れても、猫ちゃんたちは一緒だったわけですから。ある意味、最もそばに寄り添っていたんですもの。
ていうか私の家にも猫ちゃん一匹いるんだけどさ、調べたらフレディがリアルに飼ってた猫と同じ種類だったのよ。可愛いのよ、これが。
だから何だって?
ぬこ最強って話だよ。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』まとめ
おすすめ度:☆☆☆☆☆(5/5)
クイーンの全然ファンじゃない私が観ても、一級品の映画でございました。熱烈なファンが観たら脳汁が爆発しちゃうんじゃないのかしら。
「クイーン?何それ美味しいの?」という人にもオススメしたいです。普通にフィクションだとしても面白いので。
ラストの「ライヴ・エイド」のシーンはぜひ劇場で観ていただきたい。あの音楽に包まれた一体感は劇場じゃないと味わえないと思うから。
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