デス・ウィッシュ
2018.10.21 感想を追記しました。
公開2018年10月19日|上映時間107分
悪人は、俺が始末する。家族を失った男のリベンジ・アクション!
ホラーのイメージが強いイーライ・ロス監督が、今度はハードなアクション映画を撮りましたよ!悪人にはまったく容赦のない処刑人を演じる主演はベテラン大御所のブルース・ウィリス。本格的なガン・アクションは『RED リターンズ』以来ですかね?もう60歳を超えるおじいちゃんなのに、いったい何歳までキレキレのアクションを見せてくれるんでしょうか!?
R15指定だから良い子は観ちゃダメだぞぅ!
それでは映画『デス・ウィッシュ』について紹介します!
作品情報
『デス・ウィッシュ』あらすじ/予告動画
犯罪が多発し、警察の手に負えない無法地帯と化した街、シカゴ。救急救命の患者を診る外科医ポール・カージー(ブルース・ウィリス)は、毎日犯罪に巻き込まれた患者の生死に立ち会っていた。裕福で幸せな家庭だけが彼の平穏の地だった。しかし、ポールが留守のうちに家族は何者かに襲われ、妻は死に、娘は昏睡状態になってしまう。ポールの願いも空しく警察の捜査は一向に進展をみせなかった。怒りの頂点に達したポールは、犯人を抹殺するべく自ら銃を手に取り、危険な街へと繰り出し始める―。
監督:イーライ・ロス
これまで『ホステル』『グリーンインフェルノ』『ノック・ノック』といったホラーやスリラーのジャンルを多く手掛けてきたイーライ・ロス監督が、今回はバキバキのアクションを手掛けましたよ!『イングロリアス・バスターズ』などに出演したりと、俳優としても活躍しています。
一週間前に公開された監督作品『ルイスと不思議の時計』はファンタジー映画ですし、どんどん活躍の場を広げている様子です。大忙しだな!
原作「狼よさらば(原題:DEATHWISH)」
1972年に発表されたブライアン・ガーフィールドの小説です。家族を失った一般市民が復讐をきっかけに悪人から街を守る自警団となっていく様を描き、1974年には一度、映画化もされています。今作では時代背景も現代版になった、まったく新しいリメイクになります。
主要キャスト
ブルース・ウィリス
(役:ポール・カージー)
『ダイ・ハード』『フィフス・エレメント』『アルマゲドン』『シックス・センス』『RED レッド』『LOOPER ルーパー』など数多くの大ヒット作に出演するハリウッドを代表する大スターですね!若い頃も当然かっこいいですが、年齢を重ねるにつれどんどん渋いカッコよさが加わっています。いい具合に哀愁が漂っていますね。
今作では、人の命を救う外科医だったが、何者かに家族を襲撃されたことをきっかけに復讐に燃えて悪人を一掃する処刑人へと変貌を遂げます。
エリザベス・シュー
(役:ルーシー・カージー)
『リービング・ラスベガス』『ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ』『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』などに出演。
ヴィンセント・ドノフリオ
(役:フランク・カージー)
『ジュラシック・ワールド』『マグニフィセント・セブン』などに出演。『メン・イン・ブラック』では昆虫型エイリアンに扮するなど、個性派の俳優です。
他キャスト
カミラ・モローネ/ディーン・ノリス/キンバリー・エリス/ボー・ナップ など
感想(ネタバレあり)
ここからは鑑賞後のネタバレを含む感想になりますので、まだ観ていない人はご注意くださいねー。
リメイク元の『狼よさらば』は私は知らないんですけど、どうやら復讐劇ではなく完全に自警団として街の悪を成敗していくらしいですよ。本作は最初こそ目につく悪者を殺していきますが、物語の大筋はリベンジドラマになっていました。
イーライ・ロスが監督するアクションってことで承知はしていましたが、やっぱりグロテスクな描写がありましたね。とはいえ今までのホラー作品などと比較するとジャンル上、緩和されていたように感じます。苦手な人は目を背けたくなるかもしれませんけど、イーライ・ロス作品のファンには物足りないかもですねw
ブルース・ウィリスが久しぶりの本格アクションということでド派手なアクションを期待してたんですけども、そこはちょっと外れたかな〜。
大体まずもって外科医で銃の扱いが初心者だという設定が今さら無理あるよ。だって何十年と銃火器ぶっ放してきた人ですからね、銃の構え方から撃ち方までハマりすぎちゃってますもん。たとえ素人っぽい演出を加えたところでね。そのギャップを楽しむことができれば良かったんでしょうけど、私はもっとバキバキの処刑人として街中の害悪を潰しまくる姿を期待しちゃいました…!
どうしても気になってしまったのは、「このテーマは今の時代で受け入れられるのか?」ということです。まだリメイク元の時代ならすんなり飲み込めたんでしょうけど、たとえアメリカでも一般市民の銃による悲惨な事件が起こりすぎて神経質になってますからねぇ。
私怨により「人を救う側」から「悪人であれば容赦なく人を殺せる人間」に成り果ててしまいました。それも原作とは違って社会を守るためじゃなく、復讐のためという私情が濃いので、ダークヒーロー的な立ち位置ですらありません。
通販で銃の所持をおすすめし、簡単に購入できてしまう社会。素人でもネットの情報を容易にかき集めて銃の扱いをおぼえ、殺し屋になれてしまう社会。うーん、これはなかなか主人公ポール・カージーに感情移入するのは厳しいぞ。
と言ってもですね、そもそもイーライ・ロスは「メッセージ性?何それ美味いの?エンターテイメント性こそ至高!わっしょい‼︎」というタイプの人間(たぶんw)なので、社会派ドラマとして評価するのはお門違いかなぁとも思います。
まぁ、だったらもうちょっとド派手アクションでエンタメに振り切ってくれよ、って感じですが。
ちょっと辛口なことも書きましたけど、面白くなかったんか?と問われたらそんな事はありませんでした。
イーライ・ロスらしい演出が多々あるおかげで、ありきたりなアクションにならず独特の味が加わっていましたし、なんだかんだブルース・ウィリスかっこいいから応援しちゃうしね。
頭からっぽにして細かいことは気にせず「おらおら〜、ブルース・ウィリスどんどんやっちまえ〜。悪い奴等ざまぁw」って感じで観て、スカッとするぶんには楽しい作品でありましたよ。
まとめ
おすすめ度:☆☆☆ (3/5)
分かっていることとはいえ、医者は患者であれば殺人犯であっても命を救わなければならない、という複雑な立場ですよね。善人が殺され、悪人が救われるような世の中が当たり前になってしまったら、この主人公のような人物がたしかに求められるのかもしれません。
…とか何とか言ってみましたけど、難しいことは考えずにブルース・ウィリスの痛快なアクションを気持ちよく観るのが、この映画の正しい見方のような気がしています!w