クリストファー・ノーラン
1970年7月30日生。映画監督、映画プロデューサー、脚本家。スーツの似合うスタイリッシュなジェントルマンですね〜。
2作目となる『メメント』で一躍脚光を浴び、新たなバットマンを描いた『ダークナイト』でその地位を不動のものとしました。その後も大ヒットを続け、多くの熱狂的ファンを生んだ、いま最も激アツな映画監督の1人です!
ここでは、そんな天才クリストファー・ノーランの魅力と、彼の作品たちを紹介します。
作品の特徴
①時間を操る魔術師
クリストファー・ノーランの作品で最も大きな特徴は〈時系列〉を操作した綿密なプロットにあります。出世作である『メメント』では「終わり」から「始まり」へと時間をさかのぼる特殊な設定を採用して世界に衝撃を与えました。
デビュー作『フォロウィング』から時系列操作はしっかり見られ、その後も数多くの作品で時間を自由自在に操り、まるで魔術師のように鑑賞者を魅了します!
②科学的見地を重要視する
SF作品も手掛けていますが、非現実的な物語だからといって物理学や宇宙学などの見解をまったく無視するのは好まないようです。
『インターステラー』では相対性理論に基づいた正確な描写をするため、理論物理学者を制作陣に加えたことが有名ですね。
③複雑で重厚なストーリー
クリストファー・ノーランの作品はシリアスで難解なものになりがちです。しかしただ難しいだけでなく、単純な正義や悪にとどまらない真に迫った心理描写が卓越しているため、重みのある奥深い物語を作り上げることができるんですね。
一度の鑑賞では理解できなかったり解釈の分かれる作品も多く、何度も繰り返し観たくなる仕掛けが施されています!
④撮影のこだわりが半端ねぇ
本物のビルを一棟まるごと爆破したり、実物が難しいときはミニチュアによる特撮などを起用し、可能な限りCGに頼らない映像を求めます。なかなかスタッフ泣かせの監督ですねw
また、デジタルカメラが主流の現代においてもフィルムによる撮影にこだわっています。常に斬新でスタイリッシュな映像を見せてくれるのに、撮影技法は頑固なまでに変えない不思議な人です。
そんなクリストファー・ノーランの考え方が、ドキュメンタリー映画『サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ』で語られています。数々の有名な映画人の話が聞けるので、映画マニアは一度観てみることをオススメしますよ!
監督作品
ここからはクリストファー・ノーランが監督を務めた長編映画を紹介します。全部観ておけば、より理解が深まりますよ!初期作品と最新作を見比べてみて変化を感じるのも面白いですね。
フォロウィング
公開2001年|上映時間70分
長編映画監督デビュー作!
クリストファー・ノーランが監督・脚本・製作・撮影・編集を担って作り上げた処女作。
街で見かけた他人を尾行する習慣のある作家志望の男が、あるとき尾行していた相手にバレてしまい事態が展開していくサスペンスドラマ。
クリストファー・ノーランらしく時間軸を巧妙に扱ったストーリーで、これが天才の原点かと思うと感慨深いものがありますね!デビュー作とは信じられない緻密なプロットとこだわりのモノクロ映像は、出世作『メメント』を彷彿とさせます。
メメント
公開2000年|上映時間113分
数々の名作を残し続けるクリストファー・ノーラン監督の出世作!
妻を殺害された事件が原因で、10分間しか記憶のもたない記憶障害を発症した主人公が、妻を殺した犯人を追う異色サスペンス。
記憶がもたないだけでも充分に強い設定ですが、さらに時系列が逆に進むという斬新な試み。これによって鑑賞者が「以前に何が起きたか分からない」という状態を主人公と共有でき、没入感を得ることができます。難解でありながら退屈しない構成なので、必ず二度、三度と観たくなりますよ!
インソムニア
公開2002年|上映時間119分
1997年のノルウェー映画を、クリストファー・ノーラン監督がリメイク。
相棒の死により不眠症となった警部が、猟奇殺人事件の捜査に挑むサスペンス。
タイトルの「インソムニア」は「不眠症」という意味です。眠気と敵とたたかうアル・パチーノの熱演がかっこいい!じわじわと足元を這うような緊張感があり、観ている方も眠っていられませんねw
バットマン ビギンズ
公開2005年|上映時間140分
クリストファー・ノーランが描く、新しい『バットマン』シリーズ3部作の第1作。
DCコミックスのバットマンが、どのような経緯でバットマンになったかを描く。3部作を合わせて〈ダークナイト トリロジー〉とも呼ばれる。
豪華なハリウッド俳優陣のなかには渡辺謙も参加しています!アメコミの中でもダークな雰囲気をもつバットマンの誕生が、心理をふまえて細やかに表現されています。
ダークナイト
公開2008年|上映時間152分
バットマンを描いた3部作〈ダークナイト トリロジー〉の第2作にあたる最高傑作!
ゴッサム・シティに現れた史上最凶の犯罪者ジョーカー。バットマンはゴードン警部補たちと協力してジョーカーに立ち向かう。アカデミー賞をはじめ多数の受賞・ノミネートを果たす。
ヒーローものとしては類を見ないほどダークでシリアスな物語となっており、「悪」で世界を魅了した傑作です。ヒース・レジャーのジョーカーは伝説として残ること間違いなしですね!
ダークナイト ライジング
公開2012年|上映時間165分
バットマンを描いた3部作〈ダークナイト トリロジー〉の完結編!
前作から8年後を舞台にシリーズを終結へと導く物語。アン・ハサウェイなど豪華な新キャストも参加。
まずアンちゃん可愛い!クリスチャン・ベール最高!そして重厚なストーリーが見事に収束して、鑑賞後にはとてつもない充足感が尾を引きます。今後このシリーズを超えるバットマンはお目にかかれないのではないでしょうか…?
プレステージ
公開2007年|上映時間130分
130分すべてを疑え!天才と奇才のイリュージョンバトル。
小説「奇術師」をクリストファー・ノーラン監督が映画化。19世紀ロンドン、ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールの2人が演じるマジシャンが、すべてを賭けてたたかうミステリードラマ。
ウルヴァリンとバットマンが戦うんじゃないですよ!マジックを駆使し、伏線を張り巡らせた緻密なストーリーです。
インセプション
公開2010年|上映時間148分
時間と空間を巧みに操ったクリストファー・ノーランの話題作。
他人の夢に入り込んでアイデアを盗む企業スパイが、記憶を植え付ける「インセプション」という不可能に近いミッションに挑む。
革新的な映像と奥深いプロットで世界を魅了しました。あまりに前衛的で複雑な設定であることから、一度観ただけではなかなか解釈が難しく、繰り返し観て理解を深めたくなる作品です。夢と現実、想像と記憶。ちぐはぐに見えて点と点が繋がっており、いくつかの面が絡み合い、まるでルービックキューブのような難解さがあります。
インターステラー
公開2014年|上映時間169分
クリストファー・ノーラン監督が仕掛けるSF超大作。
環境問題が深刻化し、世界的な食糧危機に陥った地球。主人公は滅亡が迫る人類と大切な家族のため、人類が移住できる星を探す計画に参加する。
アカデミー賞など多数のノミネートや受賞を成し遂げました。SF映画史上最高傑作と評価する人も多く、壮大かつ緻密なストーリーと徹底された科学的見地による設定は、大絶賛の嵐も頷けるクオリティです!映像や音楽、見事に回収される伏線、美しい家族愛の物語…色んな意味で感動が押し寄せてきます。
ダンケルク
公開2017年|上映時間106分
クリストファー・ノーランが初めて実話をもとにした究極の戦争ドラマ体験!
第二次世界大戦の「ダンケルクの戦い」で行われた大規模な救出作戦を映し出した真実の物語。
オープニングから一瞬で引き込まれる臨場感と、休まることのない緊迫感に、心臓の高鳴りが止みません。陸・海・空の3視点から描かれ、重厚な物語とノーラン監督らしい巧妙な時間軸を扱った脚本により、未曾有の体験をすることになります。戦争映画史上、私が最も衝撃を受けた超オススメの傑作です。
監督以外で携わった作品
クリストファー・ノーランは自身が監督した作品以外でも、製作や製作総指揮として映画に携わっています。今や、彼の名前がスタッフの中に入るだけで箔がつきますね!
監督作品と見比べてみるのも面白いですよ〜。
トランセンデンス
公開2014年|上映時間119分
クリストファー・ノーランを製作総指揮に迎え、ジョニー・デップが主演を務める。
科学者の脳をアップロードした人工知能の物語。人間と科学の関係性について考えさせられます。
マン・オブ・スティール
公開2013年|上映時間143分
クリストファー・ノーランが製作、ザック・スナイダーが監督を務めた、新たな『スーパーマン』。
スーパーマンの誕生を描いた物語。知られざる新しい一面を映し出し、スピード感があってワクワクします。
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
公開2016年|上映時間152分
『マン・オブ・スティール』の続編でザック・スナイダーが監督を務め、クリストファー・ノーランは製作総指揮を執る。
スーパーマンに加え、バットマン、ワンダーウーマンも登場します。正義とは何か、ヒーローとはどうあるべきかが描かれています。
ジャスティス・リーグ
公開2017年|上映時間120分
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の続編で、クリストファー・ノーランが製作総指揮を執る。
スーパーマン亡き後、迫りくる強大な敵に立ち向かうためバットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグらが結集。DCコミックのファンにはたまりませんね!
まとめ
クリストファー・ノーランについて紹介しましたが、いかがでしたか?
傑作ぞろいで天才と呼ぶに相応しいですね。好きな人はより好きに、今まであまり観てこなかった人には興味を持ってもらえたらなぁと思います!
では、おわります。