監督:吉田大八
出演:リリー・フランキー/亀梨和也/橋本愛/中嶋朋子/佐々木蔵之介
あらすじ
平凡な家族がある日、謎の飛行物体に遭遇する。それにより自らを宇宙人として覚醒した彼らは、滅亡へと進んでいる地球を自分たちの手で救おうと奮闘する。やがて大きな騒動に巻き込まれ、それぞれが傷ついていく。使命感を持った彼らの行く末はーー。
感想(ネタバレ含む)
考えたら負け!ゆる〜い設定とゆるぎない正論が共存した、なぜかクセになるSF(?)エンターテイメント。
良かった点
まず私は原作を読んでいません。下調べもあまりしてません。大好物な作品『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督と、これまた大好きな橋本愛さんが出演するというだけの理由で観にいってきました。
内容は終始「??」という感じでしたが、そもそもの設定が馬鹿げているので、これは「考えたら負け系」の作品だな、と頭の中をシフトしました。すると……あれ?…これ、面白いぞ、と。(笑)
リリー・フランキーさんは火星人でお天気キャスターをしているのですが(この時点でおかしい)、温暖化などの地球環境という深刻な問題提起をしてるのに、謎の立ちポーズをしたり…とかく独特な笑いが盛り込まれています。頭おかしいオッサンの役をやらせたら、右に出る者はいないんじゃないでしょうか。
私のイチオシ、橋本愛さん。歴代の出演作品のなかでもトップクラスに美しかったです。ただ美しいだけじゃなく、胸奥にミステリアスな何かを含んでいて、役とばっちり合っていました。といっても彼女、金星人なんですけどね!
「考えたら負け」と言いましたが、観終えると家族関係・地球環境・人類と世代の責任問題など、真面目なことを考えそうになります。でもコレ本当にそんな映画か?と作中のユーモアを思い出し、また無心に観たくなるような、妙な中毒性をもつ世界観になっています。
気になった点
水星人である息子の亀梨和也さん、カッコイイし芝居が特別に下手というわけじゃありませんが、このキャスト陣のなかに入れてしまうとちょっと違和感があります。ジャニーズのなかにも素晴らしい演技をする人たくさんいますが、個人的には彼はアイドルの域を出ないかなぁ。なんだかここだけ一般ウケを狙った感が。
笑いに関してはとてもシュールなので、合わない人には最初から最後までクエスチョンばかりかもしれません。コメディみたいな爆笑とかではなく、フハッ、と笑っちゃう感じです。
問題提起も、かなり言ってること自体は正論なので、真面目な話だと思って観ると肩透かしをくらいます。「作品にこめられたメッセージ」みたいなのを読み取ろうとしたら、荒唐無稽さに腹が立ってくるでしょうね。
評価
総合満足度:☆☆☆☆ (4/5)
わくわく度:☆☆☆☆☆ (5/5)
キュンキュン度:☆☆☆ (3/5)
かなしみ度:☆☆ (2/5)
カンゲキ度:☆☆ (2/5)
びくびく度:☆ (1/5)
スッキリ度:☆☆☆ (3/5)
個人的な評価なので高くなりましたが、アレルギー反応が出る人はいると思います。『桐島、部活やめるってよ』がとても奥の深い作品だったので、そのノリで観るとかなり痛いでしょうね。これは感覚で観る映画です。たぶんですけど、俳優陣も真剣というより楽しみながら演じたのではないでしょうか。問題作と言われても、私は好きでした。
家族って小さい地球であり、地球って大きい家族なんです。最後に良いこと言ってみましたが、めちゃくちゃ適当に言いました。だってそういう映画なんです!