監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ヒュー・ジャックマン/パトリック・スチュワート
あらすじ
2029年ーーX-MENがただの伝説となり、世界では人間からミュータント遺伝子が削除された。年を重ね衰えたウルヴァリンは、先の見えない生活のなかで日々を過ごしている。良き師であったチャールズは、今や以前の面影のない老衰した状態だが、ウルヴァリンに最後のミッションを引き受けて欲しいと説得する。それは「ミュータントにとって最後の希望となる少女を守る」というものだった。
感想(ネタバレ含む)
切なく感動的な幕引きに拍手!疲弊したウルヴァリンの最期まで演じ切ったヒュー・ジャックマンにお疲れ様と言いたい。
良かった点
これがX-MENシリーズで活躍してきたあのウルヴァリンなのか……と目を覆いたくなるほど疲弊しきったローガン。不死身だった身体も痛々しいまでに弱り果てていました。
こんな姿見たくない!という人もいるかもしれませんが、「ヒーローも必ずいつか衰退する」という盛者必衰の理をまざまざと見せてくれたと思います。この世は無常なんですね。
とはいえ、もちろん見応えあるアクションもあり、それがまたなかなかグロテスクです。しかしどちらかというと、ミュータントの少女ローラとのロードムービー的な要素を強く感じました。
このローラがまた、かなり魅力的でしたね!可愛らしい見た目とは裏腹に強烈なキャラで、派手なアクションで大人たちと戦う姿は『キック・アス』のヒットガールを彷彿とさせました。(笑)
X-MEN史上に類を見ない感動的な最期は、涙を誘います。長らく戦い続け、数々の苦悩や困難を生き抜いてきたローガン。彼の芯にある強さと優しさが最期の最期まで堪能できる、素晴らしい幕引きだったと思います!
気になった点
軽快なアメコミヒーローを求めて観にいくと、重く鬱々とした雰囲気に戸惑うでしょうね。今までのシリーズから考えても異質ではあります。
観ながら違和感があったのですが、途中ではっきりしました。それはクローンのローガンが敵として出てきた時です。ヒュー・ジャックマンの一人二役なわけですが……この映画、完全に「ウルヴァリン役ヒュー・ジャックマン」のために作られたんだな、と感じてしまいました。
彼をいかに立て、いかに美しくウルヴァリンを終わらせるか。これに尽力してる感が透けて見えてしまったんですよ。我ながらひねくれた見方になってしまいましたが、気になったものは仕方ないですよね。(笑)
評価
総合満足度:☆☆☆ (3/5)
わくわく度:☆☆☆ (3/5)
キュンキュン度:☆☆ (2/5)
かなしみ度:☆☆☆☆☆ (5/5)
カンゲキ度:☆☆☆☆ (4/5)
びくびく度:☆☆ (2/5)
スッキリ度:☆☆☆ (3/5)
アメコミヒーローに何を求めるかによって、意見が分かれる作品だと思います。私はこういう、カッコイイヒーローの廃れていく様なんかはわりと好きなので、素直に受け入れることができました。ヒーローにだって始まりと終わりがあるんだよ、と。
ただ、クローンは一人二役じゃなく、同じ能力を持った別キャラとして登場させてほしかったかなぁ。純粋なファンにとってはそれも最高だったのかもしれませんが。
何はともあれ、長年にわたるヒュー・ジャックマンのウルヴァリンは綺麗に幕を閉じました。ありがとう、お疲れ様でした!