監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:エイミー・アダムス/ジェレミー・レナー/フォレスト・ウィテカー/マイケル・スタールバーグ
あらすじ
ある日、巨大な球体型宇宙船が突如として地上に現れた。謎の知的生命体と意志の疎通をはかるために言語学者のルイーズは、「彼ら」が人類に何を伝えようとしているのかを探っていく。謎を知ったルイーズを待ち受ける、人類へのメッセージとは。
感想(ネタバレ含む)
感嘆の溜め息。宇宙人ではなく人間を描いた、SFなのにメッセージ性の強い映画!思わず唸りました!!
良かった点
内容の前に触れておきたいのが、音楽です。映像美も素晴らしかったですが、これがもう効果的に映画へと引き込んでくれます。要所で緊迫感を生み、飽きさせません。
『メッセージ』というタイトルだけあって、言語・対話・コミュニケーションが重要な意味をもっていますね。宇宙人はは声ではなく、墨のようなもので形を作って言語と為すのですが、もちろん地球人にはさっぱりわかりません。世界は理解できない相手を恐れ、騒然とします。
そのなかでルイーズが謎を解き真意に近付いてゆく様は、「相手を理解しようと心から歩み寄る」という、人間同士も本来そうあるべきコミュニケーションの真髄である気がしました。
序盤から描かれるルイーズと娘との描写は、伏線として後半で見事に回収され、蛇足のない構成に脱帽です。
展開としても序盤は丁寧に進み、後半につれて盛り上がりを見せる、ドラマチックな作りでした。(SFにありがちな尻すぼみじゃないのが良かった!)
時間の概念や人生の選択について考えさせられる、深みのある作品でした。
気になった点
全体的に凝った映像なだけに、宇宙人の姿がひどく陳腐に見えました…。あれなら、姿は見せないまま終わらせたほうが良かったのでは、と思います。
個人的には説明不足とは思いませんが、人によっては、後半やや難しく感じるかもしれません。色々考えずに「ザ・SF」を軽く観たい方には向かないですかね。
評価
総合満足度:☆☆☆☆ (4/5)
わくわく度:☆☆☆☆ (4/5)
キュンキュン度:☆ (1/5)
かなしみ度:☆☆☆ (3/5)
カンゲキ度:☆☆ (2/5)
びくびく度:☆☆ (2/5)
スッキリ度:☆☆☆☆☆ (5/5)
単なるハッピーエンドではなく切ない魅力のある終わり方なのですが、高揚感と後味の良さがたまらなく心地よいです。
考えさせられるストーリーとじっくり観させる展開は、ぜひオススメしたい!