映画『家族はつらいよ2』感想・評価

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監督:山田洋次
出演:橋爪功/吉行和子/西村雅彦/夏川結衣/中嶋朋子/林家正蔵/妻夫木聡/蒼井優

 

あらすじ

平田周造と富子との離婚騒動から数年。周造はマイカーでの外出をささやかな楽しみにしていたが、車に傷が目立ち始めたことから、高齢者の危険運転を心配した家族は、運転免許を返上させることを画策する。だが、頑固な周造を説得する役を誰もやりたがらない。そんな家族の心を見透かした周造は激怒してしまい、またも家族は不穏な空気に包まれてしまう。富子が旅行で家を留守にしたある日、車に乗って出掛けた周造はーー。

感想(ネタバレ含む)

死さえも笑いに変える、山田洋次監督の痛快コメディー。シリアスな社会問題を題材にしながらも、笑いが止まらない!

良かった点

昨今、高齢者による交通事故が後を絶たず、多くの死傷者を出したりとニュースなどで取り上げられていますね。それに加え孤独死や貧富による格差など、深刻な問題をこの作品では大きな笑いに変えてくれています。不謹慎にも「人の死」から起こる騒動が可笑しくって仕方がないです。

もちろん山田洋次監督が笑いだけで終わらせるわけもなく、ほろっと涙を誘われる場面もあります。

しかしこの家族、前作でもそうでしたが、「こんな馬鹿げた家族あるもんか」と思いつつ、どこか他人事じゃない「あぁ〜、たしかにあるあるかも」となぜか共感させられますよね。(笑)

 

主演の橋爪功さん(平田周造)は相変わらず、ちょっとイラっとしつつ笑ってしまう、なんだか憎めない頑固ジジイっぷりを発揮していました。個人的には西村雅彦さん(長男・幸之助)のたたみかけるようなボケっぷりがドツボで、次は何やらかしてくれるんだ、とつい目で追ってしまいます。

気になった点

良く言えば安定感ですが、悪く言えばベタです。たとえるなら吉本新喜劇の予定調和を素直に楽しめるかどうか、という部分はあります。

そして先ほど「ほろっと涙を誘われる場面もある」と申しましたが、私は泣けませんでした。理由は、一線を超えた不快感です。簡単に言うと「悪ノリが過ぎる・最低限の品位が欠如している」といったところ。

山田洋次監督は本当にすごい監督だと思います。しかしながら権威ありすぎるがゆえに、これが山田洋次流の表現法だ、という傲慢さを感じてしまいました。確かにその裏には伝えたい事や、笑いや涙を生むため、といった大義があるのはわかります。が、観る人を選び、一定数の不愉快を感じる作りにしてしまうのはちょっと違う気がします。固定客には絶大なる人気だが公平な目で見る新規はお呼びでない、みたいな風潮ですかね。

バラエティで活躍するお笑い芸人さんなどは、そのへんをわきまえてらっしゃると思います。(一線を超えたお笑いをやると、世間からものすごく叩かれますしね)

評価

総合満足度:☆☆☆  (3/5)
わくわく度:☆☆☆☆  (4/5)
キュンキュン度:☆  (1/5)
かなしみ度:☆☆  (2/5)
カンゲキ度:☆☆☆  (3/5)
びくびく度:☆  (1/5)
スッキリ度:☆☆☆  (3/5)

100%純粋に楽しむことができなかったとはいえ、ついつい笑いまくってしまったのは事実です。前作よりも面白かったですし、ファンにはたまらない作品なのは間違いないです!おそらく続編もあるので、次回作にも期待してます。

余談ですが、映画『テッド』についてダウンタウンの松本人志さんが「世間ではあれが面白くて感動もあると人気だったみたいやけど、俺は好きじゃなかった。だって葉っぱ吸ってるやん。それが頭にあるから、笑えないし、感動できなかった」みたいな感じのこと言っていたのを思い出しました。私の場合そこまで強いこだわりではありませんが。(笑)